静岡大学東部サテライトだより

静岡大学東部サテライト「三余塾」の記録・お知らせ

20230524 令和5年度第1回公開講座「地域コミュニティにとっての学校再編」

会場の狩野ベースは元幼稚園の建物です。

5月24日、本年度第1回目の公開講座を開催しました。全5回の講座のテーマは「多彩な視点から学ぶ伊豆半島の自然と社会」で、静岡大学の教員が講義をします。
初回となる5月24日の講義は、教育学部の武井敦史先生。「地域コミュニティにとっての学校再編」というタイトルで、
1.人口減少という問題
2.児童生徒数の減少と学校教育
3.行政への誤解と課題
4.学校統合と地域
5.これからの議論に向けて
という流れで講演をいただきました。
急激な少子化により、学校再編が進む伊豆地域。武井先生は伊豆市の3中学統合にも関わっています。なるべくならばふれたくない問題である学校再編ですが、検討すべき課題と、ICTの利用や学校の多機能化といった可能性をかけあわせ、未来について早いうちから議論を重ねていくことが大事であるとのことでした。
先生が現在関わっている富士市の「大淵第二小学校」跡地利用の話もあり、共同で事業を展開することで地域コミュニティをつくっていく合同会社「共生JV」の紹介がされ、参加者の方の中にはこちらにとても興味を持った方もいらっしゃいました。この大淵第二小学校跡地利用に興味のある方がいらっしゃいましたら、ぜひ、サテライトまでお問い合わせください。
質疑応答では、「学校統合の話はいつ頃から話し始めればいいのか?」「オンライン教育でコミュニケーション力を育めるのか?」といった具体的な質問がありました。
講義後のアンケートからは、加速する少子化への不安と講義で出てきたアイデアへの期待が伺えました。特に伊豆市は昨年の出生数が79人と大幅な減少になったことから、講義の中での「(小学校の児童が減ると)入学以前の保護者が転居を考え始める」という言葉は、地域の将来にとっても、早急に考えていかなければならない課題であると思いました。
アンケートの中に、「綺麗な桜のある場所は、小学校の跡地という事に気が付いた。この周辺では、そうした建物が残っており、公共施設などとして地域の人に大切に使用されている。」という感想がありましたが、サテライトの近くにある旧湯ヶ島小学校も桜がとてもきれいで、現在は図書館や静岡大学の施設として利用されています。

素敵な看板はサテライト常駐の内山先生作

次回は、7月5日水曜日、「観光のダイナミズム」と「観光地経営」というタイトルで、静岡大学地域創造学環准教授の太田隆之先生からお話をいただきます。伊豆新聞の「プリズム」というコーナーで、伊豆の観光についての記事を寄稿している太田先生。アフターコロナの観光の動向など、どのようなお話を聞くことができるか楽しみです。