令和8年度静岡大学東部サテライト公開講座 第2回を開催しました。
10月27日(火)、令和8年度静岡大学東部サテライト公開講座「多彩な視点から学ぶ 伊豆半島の自然と社会」の第2回を開催しました。
本講座は、多彩な専門分野の視点から伊豆半島について学ぶ公開講座です。静岡大学の教員や大学院生、地域の専門家が講師を務め、それぞれの専門分野から伊豆半島の自然や地域社会について講義を行います。
今回は、静岡大学農学部園芸イノベーション学研究室の松本和浩先生、博士課程の岡愛香梨さん・中込光穂さんを講師に迎え、「フィールド研究から探る、伊豆半島の農業と地域のこれから」をテーマにご講演いただきました。

青パパイヤ・アマギアマチャ・アボカドの栽培研究と、地域での産地化に向けた取り組み
はじめに、岡さんから、松崎町での青パパイヤの栽培研究と、河津町で進めているアボカド・アマギアマチャの産地化に向けた活動について紹介がありました。
青パパイヤの栽培では、植え付け前の苗の加温や、前年の株を抜かずに栽培する不耕起栽培など、栽培方法の工夫に関する研究が進められています。また、これまで廃棄されていたパパイヤの幹を食材として活用する研究についても紹介されました。
河津町では、地域にゆかりのあるアマギアマチャの聞き書きや苗木の生産、アボカドの産地化に向けた研究などに取り組んでいます。岡さんからは、地域の人々との対話を通じて課題を見つけ、解決を目指していくことの大切さも語られました。
地域の交流拠点や直売所が果たす役割
続いて、中込さんからは、松崎町の「であい村 蔵ら」と南伊豆町の農林水産物直売所「湯の花」を事例に、地域の人々が集い、交流する場としての役割について発表がありました。
両者は、新型コロナウイルス感染症の流行によって活動の形を変えながらも、地域の活動拠点として続いてきました。中込さんは、活動メンバー同士の声かけや目標の共有、直売所を訪れる人と出荷者との交流などを紹介。調査を通じて、商品の販売だけでなく、人との交流や生きがいを感じる場としても大切な役割を果たしていることが示されました。

農産物に新たな価値を生み出すために
最後に松本先生から、2人の発表を受けて、研究室が大切にしている「園芸と民芸の融合」という考え方についてお話がありました。
農産物に新たな価値を生み出すためには、おいしさや価格だけでなく、作物の来歴や作り方、生産者のこだわり、その背景にある思いなどを伝えることが大切だといいます。そうした情報によって、消費者にとって農産物が特別なものとなり、「愛おしい」と感じてもらえるのではないか。また、消費者にも最後のひと手間を加えてもらうなど、食べる側が関わることで生まれる価値についても紹介されました。

参加者の感想
講義後のアンケートでは、参加者から次のような感想が寄せられました。
・「伊豆でパパイヤ、アボカドが栽培されているとは知りませんでした。」
・「地域と密着した研究だからこそ、課題と解決のためのアプローチがとても具体的でわかりやすかったです。」
・「商品情報だけでなく、作り手の思いや風土をアピールできるような売り場を作っていきたい。」
今回の講座では、農作物の栽培に関する研究から、地域の人々との関わり、農産物や直売所が持つ新たな価値まで、さまざまな視点から伊豆半島の農業と地域のこれからについて学ぶ機会となりました。
ご登壇いただいた松本先生、岡さん、中込さん、会場およびオンラインでご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。
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