静岡大学東部サテライトだより

静岡大学東部サテライト「三余塾」の記録・お知らせ

20260727第3回「伊豆歴史文化大学」開催報告

7月27日(月)、令和8年度静岡大学東部サテライト連続講座「伊豆歴史文化大学」第3回を開催しました。

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今回のテーマは「伊豆の特産物」。

はじめに、小山真人先生(静岡大学名誉教授・静岡大学防災総合センター客員教授)が「伊豆のわさび田と地質の関係」と題し、伊豆半島の成り立ちと地質構造が特産物の形成にどのように関わっているかを解説されました。
講義では、共同研究者である芹澤沙季氏との研究成果をまとめた資料を用いながら、わさび田の分布と湧水の関係について紹介されました。伊豆半島は海底火山と陸上火山が重なる特異な地質を持ち、陸上火山の割れ目を流れる地下水が海底火山由来の不透水層との境界で湧き出すという特徴があります。
この豊富で清涼な湧水がわさび栽培に最適であること、また実際に195か所のわさび田が抽出され、その多くが天城火山周辺に集中していることなどを紹介されました。

続いて、金子浩之先生(立正大学文学部)が「伊豆の製塩史・石材・海産物・木材」と題し、伊豆半島の多様な産物が歴史の中でどのように利用されてきたかを解説されました。
伊豆の海苔・塩・木材・石材・海産物などは、古代から中世・近世にかけて朝廷や幕府に献上され、地域の経済を支えた重要な資源でした。
特に、伊豆の甘海苔が源頼朝によって後白河法皇に進上された史料や、江戸城の石垣石の97%が伊豆産の安山岩であることなど、伊豆の産物が日本史の中で果たした役割を具体的な史料とともに紹介されました。

伊豆半島の自然環境と歴史が育んできた多様な産物について、その背景にある地質・歴史・産業のつながりを改めて実感する時間となりました。

次回は8月31日(月)、「伊豆の大地とアート」をテーマに開催します。


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【告知】「伊豆半島スタディツアー2026(伊豆市編)」を開催します

2027年2月8日(月)から2月12日(金)までの4泊5日で、「伊豆半島スタディツアー2026(伊豆市編)」を開催します。


本ツアーでは、修善寺温泉街を拠点に伊豆市内各地でフィールドワークを実施し、地域の自然・観光・地域社会などについて、地域の方々との交流や体験活動を通して学びます。

www.shuzenji-kankou.com


テーマ
『伊豆市の自然・観光・地域社会のつながりから持続可能な地域づくりを考える』

ツアーの目的
伊豆半島における⾃然環境・観光資源・福祉・⺠俗⽂化等をテーマに、インタビューや体験活動を通じて、地域の魅力や課題、社会構造への理解を深める 。さらに、システム思考やデザイン思考といった考え方を学び、発見した地域課題や可能性に対して、「⾃分にはどのような貢献ができるのか」を考える力を養う。

主なプログラム
・伊豆半島の火山地形、温泉地帯などを実際に訪れ、⾃然環境について学ぶ 
・地域観光や地域資源の活用事例を現地で見学し、地域づくりについて理解を深める 
・地域住民や事業者との交流を通じて、地域課題や将来の可能性について考える
・観察、ヒアリング、調査などのフィールドワーク手法を実践的に学ぶ

伊豆市をフィールドに学ぶ
伊豆市は、修善寺温泉や天城山、土肥温泉など、多様な自然・観光資源を有する地域です。また、伊豆半島はユネスコ世界ジオパークに認定されており、火山活動が生み出した特徴的な地形や豊かな温泉文化も大きな魅力となっています。

www.city.izu.shizuoka.jp

修善寺温泉街の中心に位置する「修禅寺」

活動拠点となる修善寺温泉街は、歴史ある温泉地として知られるとともに、行政や事業者、地域住民が連携し、持続可能な地域づくりに取り組んでいます。一方で、人口減少や高齢化、地域産業の担い手不足などの課題も抱えており、本ツアーでは地域の魅力と課題の双方を実践的に学びます。

開催概要

【日程】
2027年2月8日(月)~2月12日(金)【4泊5日】

【活動拠点】
修善寺温泉街(静岡県伊豆市)

【募集対象】
静岡大学に所属する大学生・大学院生
※県内・県外の他大学の大学生・大学院生もオブザーバー参加可
※伊豆半島学を専攻した学生を優先

【募集人数】
15名

【参加費】
無料
※飲食費は自己負担

【募集開始】
2026年10月5日(月)

【詳細・応募方法】
ツアーの詳細な行程、フィールドワークの訪問先、宿泊場所、応募方法などは、
2026年9月1日(火)に公開予定です。

★詳細は9月1日(火)以降に下記Webページをご確認ください。
https://x.gd/1hTCP

【お問い合わせ】
静岡大学未来社会デザイン機構 東部サテライト
TEL:0558-79-3500(平日9:00~16:00)
E-mail:izu-info@adb.shizuoka.ac.jp

【主催】
静岡大学未来社会デザイン機構
一般社団法人美しい伊豆創造センター


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20260615 第30回青羽根柿木歴史大学

湯ヶ島道の歴史をたどる

地域の方が先生になって、お互いに学び合う場である青羽根柿木大学。今回は、狩野城ガイドクラブなどで活躍をしているHさんが「湯ヶ島道の歴史」をテーマにして、講義をおこないました。
かつて「湯ヶ島道」あるいは「天城道」と呼ばれ、多くの旅人が行き交った重要な場所である現在の下田街道天城周辺。その歴史を奈良時代から近代まで、時系列でたどっていきました。

 

奈良時代から始まる湯ヶ島道の歴史

奈良時代に行基が吉奈に善名寺を開いたという記録から始まった今回のお話。この地域にはいつ頃から人々が住み始め、狩野城周辺にどのように人が集まってきたのか。また、歴史上の人物がどのようにこの地を訪れたのかなど、Hさんがさまざまな文献をもとに作成した資料をもとに、時代ごとの出来事を追っていきました。

室町時代には、すでに天城越えの宿に関する記録が残されており、当時から多くの人々がこの街道を利用していたことがうかがえます。
寛政5年(1793年)には、現在、青柿大でお馴染みとなった東海大学の片岡先生が、絵図に描かれた風景がどこなのかを検証する取り組みを進められている「公余探勝図」が描かれました。

続く寛政12年(1800年)には、伊豆国の代表的な地誌である『豆州志稿』に「三階瀑布」として、現在の浄蓮の滝が記されています。
現在「浄蓮の滝」として親しまれている滝は、もともとは「上の滝」「中の滝」「下の滝」の三つから成る「三階滝」でした。現在一般に浄蓮の滝と呼ばれているのは「下の滝」です。
「中の滝」は明治30年6月の豪雨によって崩壊し、その頃には、浄蓮の滝の名前の由来になった浄蓮寺もすでに廃寺となっていたという記録があります。

1801年と1815年には、伊能忠敬測量隊が伊豆を測量しました。
1819年には、梨本村の名主・板垣仙蔵が二本杉峠道を整備したという記録があります。
さらに1824年の『甲甲旅日記』には、梨本から約4kmの場所に茶屋があり、その周辺にはオオカミが生息していたことが記されています。当時の天城には、まだオオカミがいたことが分かる貴重な記録です。
1857年には、アメリカ総領事ハリスが天城越えをして湯ヶ島に宿泊し、帰路は船を利用したという記録が残っています。
1889年には東海道線開通(現在の御殿場線、東海道本線が開通したのは昭和9年)。
1905年には旧天城トンネルが開通し、天城越えは大きく変わりました。
当時の街道の様子を知る資料として、川端康成の短編『有難う』を原作とした映画『有りがたうさん』(昭和12年公開)を観るといいよというメンバーからの助言がありました。

道が整備されたことで観光地となった浄蓮の滝

「轎中雑識 浄蓮ノ瀑」から分かること

浄蓮の滝資料館に展示されている「轎中雑識 浄蓮ノ瀑」について、Hさんがご自身で解読したものを紹介してくださいました。
当時は現在のように滝へ下る遊歩道はなく、村の子どもに案内を頼んで滝まで行ったことが記されています。
道が整備されたことで、浄蓮の滝は観光地として発展していったことが分かります。

 

天皇ゆかりの伊豆

皇室と伊豆との関わりについても紹介がありました。
狩野川沿い、水晶山のふもとには、大正天皇が皇太子時代に鵜飼を見学したことを記念する「鵜飼天覧御所碑」が建てられています。
修善寺の御幸橋も、大正天皇の行幸にちなんで名付けられた橋です。大正13年に完成したアーチ橋で、老朽化のため2018年に架け替えられたものの、珍しい工法が用いられていることから、歩行者専用の橋としてその姿を残しています。

修善寺の御幸橋

昭和天皇も伊豆を巡幸し、天城峠から八丁池へ向かう道は現在も「上り御幸歩道」と呼ばれています。
メンバーからは、行幸に合わせて湯ヶ島小学校は建て替えられ、校舎も移転したこと、学校には昭和天皇が使用した「御座椅子」が長年保存され、その前を通る際には児童も先生も頭を下げていたというエピソードが紹介されました。

今回の講義では、一つの街道の歴史をたどることで、伊豆の歴史や文化、人々の暮らしの変遷を知ることができました。地域に残る資料や伝承を改めて見直すことで、新たな発見や疑問が生まれる、大変興味深い講義となりました。Hさん、ありがとうございます!

20260607自然共生サイト認定シンポジウムの開催

掲載が遅くなりましたが、6月のビッグイベントについて報告いたします。

     

 

2026年6月7日、修善寺総合会館で「修善の森プロジェクトの会 自然共生サイト認定記念シンポジウム」が開催されました。テーマは「修善寺の里山から考える地域と生物多様性」。当日は、修善の森プロジェクトの会代表の高橋さんから、活動サイトの紹介が行われました。2018年の活動当初の姿は倒木や表土の流出により里山はかなり荒れていましたが、8年間にわたる地道な活動により、水脈整備が行われ、ビオトープが作られ、多様な生き物たちが集まる場所をが作られつつあるということでした。現在は竹林整備も進めており、竹炭生産にも取り掛かる予定です。サテライトから徒歩15分ほどの山の中に新たな水田を整備し、黒米生産も始める予定ということで、サテライト教職員一同、時々のぞきに行きながら、できるかぎり支援をしたいと思っています。

          

環境省関東地方環境事務所の原澤氏からは、自然共生サイト認定制度について紹介がありました。過去50年において生物多様性が速いスピードで失われつつある現実やこのような危機に対する世界的な取組み、そして日本が目指すべき様々な主体による生物多様性の保全活動の在り方などについて丁寧に説明をしていただきました。

 

また、企業の取組み事例として、NTTドコモサステナビリティ推進室の上村氏からは、ドコモグループがなぜ環境問題に取り組むのか、その背景や資源循環型社会の実現にむけた様々な取組みについて紹介がありました。ドコモでは「ドコモの森活動」を通して、ドコモグループの社員とその家族が地域の方々と交流を深めながら森林整備活動を行っているそうです。ドコモが有するICT技術、ドローンや通信システムなど用いて生態調査などを実施し、生物多様性の回復にむけて環境教育などにも取り組む様子が紹介されました。

3つの講演を通じてネイチャーポジティブへの貢献活動が様々な主体の参加のもと行われている様子が分かりました。

 

第二部では、これまでの登壇者に加え、地権者やジオパーク研究員を迎え、パネルディスカッションが行われました。ファシリテーターはホールアース自然学校の山崎さんが務め、個人所有の里山が自然共生サイトに認定されたことへの思いや、研究員の立場から見た自然共生サイト認定の意義、さらにエコツーリズムと自然共生サイトを結び付けることで地域内のお金の循環につながることへの期待などについて意見が交わされました。

また、活動者の高橋さんからは、「違和感を覚える自分の感覚を大切にし、それを『気持ちいい』に変えていく行動が大切」というお話がありました。身の回りで違和感を覚えたときには、より良い方向へ変えていくためのアクションを起こし、自分事として捉えることの重要性が語られ、その言葉が特に印象に残りました。

多くの人のご参加、ありがとうございました。

小雨の降る中、午後には里山ガイドツアーが行われました!

令和8年度静岡大学東部サテライト公開講座「多彩な視点から学ぶ 伊豆半島の自然と社会」開催のお知らせ

静岡大学東部サテライトでは、令和8年度公開講座「多彩な視点から学ぶ 伊豆半島の自然と社会」を開催します。

本講座は、多彩な専門分野の視点から伊豆半島について学ぶ公開講座です。静岡大学の教員や大学院生、地域の専門家が講師を務め、それぞれの専門分野から伊豆半島の自然や地域社会などについて講義を行います。

全4回の連続講座ですが、各回ごとの受講も可能です。興味のあるテーマのみの参加も歓迎しますので、ぜひお気軽にお申し込みください。

【開催日時】
全4回(各回18:00~19:30)単発参加可能

▶第1回 9月1日(火)
テーマ:支援者の眼差し―障害を持つ子供たちを地域、学校で支え合う仕組みづくり―
講 師:鎌塚 優子(静岡大学教育学部 教授・教育学部長)

▶第2回 10月27日(火)
テーマ:フィールド研究から探る、伊豆半島の農業と地域のこれから
講 師:松本 和浩(静岡大学農学部 教授)
    中込 光穂・岡 愛香梨(大学院生)

▶第3回 11月24日(火)
テーマ:カメラ画像で自然災害の予兆を検知する試み
講 師:橋本 岳(静岡大学防災総合センター 客員教授)

▶第4回 12月15日(火)
テーマ:伊豆半島に分布する魚類とその特徴
講 師:川嶋 尚正(静岡県自然環境保護調査委員会)

【開催場所】
静岡大学東部サテライト
(〒410-2413 静岡県伊豆市青羽根65-1)

【定員】
対面25名、オンライン300名

【受講料】
無料

【申込方法】
こちらのフォームからお申し込みください。

静岡大学東部サテライト公開講座 申込みフォーム

【申込期間】
令和8年7月1日(水)~8月7日(金)

皆さまのご参加を心よりお待ちしております。


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20260622 第2回「伊豆歴史文化大学」開催報告

6月22日(月)、令和8年度静岡大学東部サテライト連続講座「伊豆歴史文化大学」第2回を開催しました。

toubusatellite.hateblo.jp


今回のテーマは「伊豆の温泉」。

当日は、対面・オンラインあわせて多くの皆さまにご参加いただきました。

はじめに、小山真人先生(静岡大学名誉教授・静岡大学防災総合センター客員教授)が「伊豆半島の地熱と温泉」と題し、伊豆半島の地下にある地熱と温泉との関係や、温泉の泉温・泉質など、地質学の視点から伊豆の温泉の特徴について解説されました。

続いて、金子浩之先生(立正大学文学部)が「伊豆の温泉利用の歴史」と題し、伊豆の温泉利用の変遷をはじめ、温泉にまつわる伝承や信仰、歴史資料などを交えながら、伊豆の温泉の歴史について紹介されました。

最後に、栗木崇先生(熱海市教育委員会)が「伊豆権現(伊豆山神社)が歴史に果たした役割」と題し、熱海温泉と伊豆山神社との関わりや、伊豆権現が東国の信仰・交通ネットワークの中で果たした歴史的役割について、近年の研究成果を交えながら講演されました。

地質や歴史、信仰などといった多角的な視点から、伊豆の温泉について理解を深める機会となりました。

次回は7月27日(月)、「伊豆の特産物」をテーマに開催します。


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20260619「伊豆未来デザインラボ」開催報告

2026年6月19日(金)、伊豆市狩野ベースにて「伊豆未来デザインラボ」を開催しました。

▶「伊豆未来デザインラボ」とは?
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座長の飯倉清太氏(静岡大学未来社会デザイン機構客員教授)の進行のもと、地域企業や金融機関、大学関係者などが集まり、近況報告や情報交換を行いました。

【参加者(順不同・敬称略)】
・静岡大学
・スルガ銀行株式会社
・株式会社アーティスティックス
・沼津信用金庫
・加和太建設株式会社 道の駅伊豆ゲートウェイ函南
・静岡鉄道株式会社
・有限会社伊藤金属総業

当日は、地域イベントや交流会の開催情報、地域人材の採用・確保に向けた提案、地域資源を活用した商品開発やブランディング事例、学生と地域・企業との接点づくりなど、多様なテーマについて活発な情報交換が行われました。

また、有限会社伊藤金属総業からは、1年前の伊豆未来デザインラボでの出会いをきっかけに実現した商品開発事例(TunagaR名刺入れ)や1年間の取り組み・挑戦などが紹介され、参加者同士のつながりが新たな連携へ発展していることを実感する機会となりました。

「TunagaR(つながる)名刺入れ」実物を持参し紹介してくださいました。
このたび、伊豆市ブランド『AMAGIFT(アマギフト)』に認定されたそうです!

今後も伊豆未来デザインラボでは、地域の企業・団体・大学等が気軽につながり、新たな連携や取組が生まれる場づくりを進めてまいります。



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