静岡大学東部サテライトだより

静岡大学東部サテライト「三余塾」の記録・お知らせ

20230921 沼津信用金庫と静岡大学の連携協定締結式

右:沼津信用金庫 鈴木俊一理事長 左:静岡大学 日詰一幸学長

沼津信用金庫静岡大学は、静岡県東部地域において、地域住民が共に支えあい夢にチャレンジし続けられる持続可能な地域社会構築の実現をはかることを目的とした連携協定を9月21日に締結。締結式を東部サテライトにて執り行ないました。

沼津信用金庫 鈴木理事長のお話より

産学官「金」の連携を具体化し、県東部のいかされていないポテンシャルをいかしていきたい。具体的には、修善寺・沼津・御殿場で展開しているシェアオフィス・コワーキングスペースといったまちづくりのプラットホーム「ぬましんCOMPASS」を拠点に若い世代の育成に貢献したい。現在、ぬましんCOMPASSは中高生の勉強スペースと活用されているほか、地域の高校生まちづくり探究講座である「伊豆市未来塾」を開催している。探究学習との連携も深めていきたい。

静岡大学 日詰学長のお話より

大学の持つ研究・人材という知的財産と沼津信用金庫さんの持つ地域の情報・ニーズをつなげて地域課題の解決につなげていきたい。産学連携を進めていくため、沼津信用金庫さんには次世代を担う高校生の支援をお願いしたい。

沼津信用金庫さんには、月に一度開催している企業情報交換会「伊豆未来デザインラボ」にご参加いただき、個人的には修善寺のぬましんCOMPASSを利用させていただいています。地域に根づいた金融機関として、特に中小企業とのつながりが強く、今後色々な面でお力を借りることになると思いますので、この協定を機にこれからも連携をはかっていければよいなと思います。

20230918 FMIS「集まれ!!静大三余塾」東部サテライトからのお知らせ

地域の小学生を対象にクマムシ観察会を開催

9月18日のFMIS「集まれ!!静大三余塾」は東部サテライトからのお知らせということで、大きく2つ「2030松崎プロジェクト」と「クマムシ観察会」についてお話させていただきました。

松崎町でのまちづくりプロジェクト「2030松崎プロジェクト」については、このラジオ番組でも何回かお話をさせていただいていますが、東部サテライトとしては、まちづくりのプラットホーム「ぷらっとカフェ」の運営や、昨年に続き松崎高校の探究学習をサポートしています。9/16には松崎町の高齢者施設「十字の園」さんで出張カフェを開催する予定でしたが、コロナの感染拡大により中止となりました。探究学習のサポートは、東部サテライトが主体となって進めている「伊豆探究学習サミット」の参加チームを探す目的もあります。伊豆探究学習サミットは今年度が第2回目で来年の3月開催。会場はなんと修善寺の「修禅寺」!地元の方のご協力によりお借りすることができました。

地域に開かれた学びの場を提供とすることを目的としている東部サテライト。子ども向けのイベントも開催したいと思っていたところ、静岡大学の静岡キャンパスにあるキャンパスミュージアムで「クマムシ」の研究をされている宮澤先生より嬉しいお声がけが!9/23(祝日)、宮澤先生を講師に迎え、東部サテライトで小学生を対象にした「クマムシ観察会」を実施することになりました。
100度の高温から下はマイナス273度の低温環境、真空の宇宙空間、強い放射線などに耐えられることから地上最強の生物と言われるクマムシ。体長は0.1〜1ミリなので、顕微鏡で観察します。このクマムシ、道路脇に生えているコケなどに生息しているんです。実際に東部サテライトの前の道路のコケにもいました。(※「クマムシ観察会」は大盛況のうちに終了いたしました。当日の様子は後日ブログに掲載します。)

これまで内山先生と事務員2人体制の東部サテライトでしたが、9月1日より新しいスタッフが加わりました。虫とカエルが好き、という東部サテライトにピッタリの方ですので、今後、この3人で東部サテライトを盛り上げていきます!

20230921 「ひかりを灯すしま」から生まれたつながり

今日は、絵本「ひかりを灯すしま」の著者であり順天堂大学病院で理学療法士として働く河原一剛さんと、「おもしろ自転車」を手がけるオートクラフト・IZUのメンバーの皆さんと打合せを行いました。河原さんとは以前

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でご一緒したのをきっかけに知り合い、オートクラフトさんには学生のフィールドワークで何度もお世話になっています。打合せ、といっても特に何かを決めなくてはいけない、というものではなく、これから何か一緒にできることはないかな、ということをテーマに自由に語り合う、そんな会でした。

 

まず驚いたのは、河原さんの事前学習の深さです。そういえば、以前のトークイベントの際にも、河原さんは私の書いた論文や発表資料などを事前にかなり調べ上げ(笑)、初めて会ったにもかかわらず、周囲の誰よりも私のことを知っていたことに驚いたことを思い出しました。でも、相手が自分のことに興味をもち調べてくれる、こんなうれしいことはありません!この真摯に人と向き合う姿勢はなかなか真似できるものではありませんが、私も心掛けていきたいです。

 

今回、河原さんは事前学習として、『自転車の歴史』という分厚い本を図書館で探し出し、それを熟読していました。海外の自転車の発展の歴史、自転車と健康の関係性、自転車の特徴ある形に隠された意味など、オートクラフトさんの自転車作りのプロもうなるほどの知識を既にもっていました。

話は自転車の話から健康の話題に、、、人間には「心」「肺」「筋」の3つがバランスよく強化されることで、「体力」が高まるという仕組みがあるということです。まさに、自転車で大腿筋を鍛えることで、心臓や肺機能が強化され、身体の質を高め、健康になり結果として長寿につながるということらしいです。そんな身体の仕組みを自転車の機能と重ね合わせ、前輪が肺、後輪が腎臓、中央に心臓といった身体の部位を自転車の構造として落とし込み、親しみやすい人体自転車をつくる案なども河原さんから提案され、絵に描いて皆に見せてくれました。皆興奮状態でした!

そして、握力は実は全身の筋肉量や身体機能を測る重要な指標なんだそうです。つまり、握力を測ることで身体の状態が分かるというのです。ということは、自転車で身体を鍛える効果を図る一つの手段にもなるということで、おもしろ自転車の健康に与える効果もこんな測定方法で実証してもいいかもしれません。

 

オートクラフトさんが発明する自転車には人を引きつける不思議な力があり、知らない者同士が自転車に共に乗ることで、乗せてあげる乗せてもらうという関係を越えたつながりが生まれます。気が付くと、子どもから高齢者、障害者の誰もがいつの間にか笑顔になっているのです。近年、インクルーシブ公園の取り組みが各地で注目を浴びていますが、オートクラフトさんがこれまで作ってきた「おもしろ自転車」は、まさにこのインクルーシブな取り組みのきっかけを既に作ってきたといっても過言ではないでしょう。

 

そんな自転車の魅力に目をつけた河原さんは是非この自転車をリハビリにも活用できないか、ということで、今お二人は新たなモデルの開発を進める計画です。私はそんな「おもしろ自転車」をつかって、大学の東部サテライトを拠点に、誰もが交わるインクルーシブサテライトを構築できないかと考えています。まだ、構想段階ではありますが、元幼稚園であるサテライト施設をもっと地域の人が気軽に立ち寄り、子供から大人までが学び合い語り合いつながり合う、そんな場所にできたらいいなと思っています。

 

伊豆半島ジオパークで有名ですが、このジオパークをどのように福祉と融合させることができるか、つまり、インクルーシブなジオパークってどんな姿なんだろう、と最近いつも考えています。これだ!という答えはなかなか見つからないのですが、私はジオパークを推進する過程で、これまであまり関心をよせてこなかったその地域の成り立ちやそこに暮らす人々の営みや歴史に目を向けることが第一歩だと思います。河原さんもジオパークと連携し絵本の作成を計画しているようで、とても楽しみです。

 

こうやってみんなで集まり、それぞれの想いを語り合うこと自体が縁を紡ぎ、何かを生み出す最初の原動力となるのだと思います。奇跡的な出会いから互いを知り、もっと知りたいという思いから関係を発展させる、その延長線上にはきっと温かい「ひかり」があると信じて、ワクワクすることに挑戦していければいいな、と皆さんと話していて改めて思いました。

2時間近くがあっという間にすぎました

伊豆の世界に包まれることで人間に必要な居場所があることに安堵し、周りの関係のなかで自分の命が輝くことができるということに気づく、そして、世界に対し伊豆半島から温かなひかりを灯し続け、平和のありがたさについて発信していく。河原さんや高田さんとお話ししていると、そんな伊豆半島をつくることも夢ではないかもしれないと思わせてくれるのです。

20230914 南伊豆分校こども園交流&稲取高校「東伊豆プロジェクト30」見学

お兄さんお姉さんとの交流の時間を楽しみにしているというこども園の園児さん

以前、高校としては珍しい植物工場を授業として運用している下田高校南伊豆分校を訪問した際に

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隣接するこども園と高校生との農業交流のお話を教頭先生よりお聞きしました。その効果測定やデータ分析を大学ができないかという依頼をいただき、今回、こども園・分校の農業交流を見学させていただきました。
この農業交流は3年生が通年で月に1度おこなうもので、4月のこども園での顔合わせにはじまり、サツマイモの定植や芋ほり、焼き芋などを楽しみます。
今回は大根の種まきということで、まずは高校生がこども園に園児を迎えに行くのですが、その時点でお互いの名前を呼び合って、手をつなぎ、抱っこをねだっている子も…。担当する子は1年を通して同じ子ということで、高校生1人に対して1~2人の園児を担当するそうです。この日は種まきの後に、グラウンドで「しっぽ取り」という鬼ごっこのようなゲームもおこなっていました。採った虫を見せている子、農作業をやさしく教えながら見守る高校生、お互いに笑顔の絶えない時間でした。

ピンク色の大根の種を5つずつ蒔いていきます。

こうした活動の効果はなかなか数字として表すことが難しいですが、高校生にとっても園児にとってもその成長過程によい影響があるのは間違いがないと思います。
同じ地域に住んでいることもあり、こうした活動を通して連携を密にしておくことで、有事の際の避難がスムーズにおこなえるといったことも効果としてあるとのことでした。

稲取高校の校舎から見える景色、絶景です。

海岸線を走り、きれいな海を眺めながら、稲取高校へ。稲取の港を眼下に望む高台にある稲取高校は、教室からの眺めがとてもキレイです。
ビジネス基礎という授業で、東伊豆町が町の課題を提示し、生徒さんにアイデアを募るということでしたので、見学をさせていただきました。政策推進係の方が「東伊豆プロジェクト30」という33個のプロジェクトを紹介。
例えば、廃校利用やごみのたい肥化、伐採木の活用、泊食分離、地域通貨の導入、新しい交通の導入などで、東伊豆町だけでなく、伊豆半島のすべての市町が考えなければならない地域課題に立ち向かうプロジェクトが揃っていました。

静岡大学地域創造センターの山本隆太先生も生徒さんにコメントをしました。

生徒さんからよいアイデアや企画が生まれた場合、町が予算を付けてバックアップするとのこと。自分の住む町の課題を具体的に解決できるチャンスを高校生たちはどういかしていくのか、今後が楽しみです。

20230911 FMIS「集まれ!!静大三余塾」東伊豆町フィールドワークインタビュー

稲取漁港の看板を地元の方と一緒に制作

9月11日放送の「集まれ!静大三余塾」は、地域創造学環の東伊豆町でフィールドワークをおこなう生徒さん3年生2人と2年生1人へのインタビューでした。まだ夏休み中の学生さんは、旅行にバイト、部活、インターンシップと毎日忙しいようです。
東伊豆町稲取地区を拠点としたフィールドワークをおこなうみなさんは、昨年度は漁港にアート作品をつくるというワークショップを地元の方と一緒におこないました。今年度はもっと地元の方と密に活動をしていきたいということで、みなさんの困り事をサポートする「何でも屋さん」の活動をしているとのことです。

地域おこしイベントのサポートで漬物石カーリングに挑戦

なぜ、この東伊豆でのフィールドワークを選んだかという質問に、秋田が出身の生徒さんは、伊豆というと観光地で賑わっているというイメージがあったのに、東伊豆は町の賑わいが少なく、空き家も多いという話を聞いて興味を持ったそうです。
フィールドワークに参加している感想として、自分のやりたいことと地域の人の臨むことが一致しているとは限らないことに気づかされる場面が多々あるとのことでしたが、自分たちが計画したことをやり遂げたあとの達成感は大きく、地域の人に「ありがとう」と言われるとやりがいを感じるということでした。
移住をするわけではないけれど、継続的にその地域のために関わる「関係人口」について調べている学生さんもおり、東伊豆町は地域おこし協力隊の方の活躍など、関係人口の面でかなり先進的な取り組みをしているのでそこを参考にしていきたいということです。
今後の東伊豆町フィールドワークの予定は、地域の人との交流を深めていくために、稲取の廃園になった幼稚園の活用方法を考えていくとのことで、これからも東伊豆町のフィールドワークから目が離せません!
地域に密着した企業、フィールドワークの経験がいかせるような職業に就きたい、地域の地盤が強くないと豊かな暮らしはできないので地盤を支えるような職業に就きたい、そのためにも残されたフィールドワークの時間を頑張っていきたいと語る学生さんに、「静岡の未来は明るい」とパーソナリティの鈴木さん。
これからもフィールドワークを通して、伊豆のそして日本の未来を切り拓く学生さんたちを育てていくのが大学の使命なのではないでしょうか。

20230903 「学内地域連携拠点」フィールドワークの学生たちが伊豆市を訪問、FMISにも出演しました

「地域と大学の連携を広めよう!」というキャッチフレーズでフィールドワーク(以下、FWと記す)活動を行う静大の学生4名が、担当の川崎先生の引率のもと、9月3日、4日の一泊2日で伊豆市を訪れました。

 

今回の活動は、伊豆市における自然や歴史に接し、また、伊豆市で活躍する人たちとの交流を通じて、伊豆の魅力や課題に対する理解を深め、大学と地域の連携のあり方について考える機会とすることや、2日目には伊豆市のローカルラジオFMIS(エフエムイズ)に出演し、視察を通じてそれぞれが感じたこと、考えたことについて情報発信する、という大きな目的がありました。

 

まず、1日目。午前中にジオリアに集合し、ジオパークの勉強からスタートです。解説員の方から丁寧にご紹介いただき、伊豆の成り立ちについて学びました。

真剣にメモを取る学生たち

それから修善寺温泉街にある「ののはな」という居場所を訪問し、修善寺の歴史と自然にも詳しい地域福祉推進委員を務める責任者の方から、地域活動推進の難しさややりがい、そしてこれからの大きな夢についてお話を伺いました。耕作放棄地を活用した、ミニキャンプ場、ビオトープ作り、ツリークライミング、木の上の家づくりなどなど、地域の皆と一緒に作りたい!と熱い想いを語っていただきました。

「ののはな」では今、植物デッサンの展示をやってます

それから近くの工房で陶芸の体験、初めてのろくろ回しでしたが、学生達は器用にマグカップや茶碗を完成させました。

長く伸ばした爪をきって臨みました

そのあとは、修善寺まち巡り。地域のボランティアを事前に予約し、1時間程度、源頼家の墓や竹林の小径、独鈷の湯などをまわりました。

 

そして最後に、オートクラフト・IZUへ。ここは日本で唯一の「おもしろ自転車」を製作する会社です。学生から将来の夢や構想を聞かれた専務の高田さんは、社長である自身の父親のアイデアや想いがつまった素晴らしい自転車をより多くの人に楽しんでもらいたい、と語っていました。最近、理学療法士さんと始まったコラボ企画も乞うご期待です。一日目から盛りだくさんの内容で学生はかなり疲れ気味、大仁温泉でその日の疲れを癒やしたそうです。

お話を聞いた後はお決まりの試乗タイム

そして2日目、朝から雨模様でしたが、そんな中、ジオスポットである浄蓮の滝や井上靖の「しろばんばの里」を訪問しました。

そのあとは、なんと、あの世を観光する知る人ぞ知る施設「伊豆極楽苑」へ。死後の世界を超リアルなジオラマで再現、それは館長が長年にわたり自らが調べ築き上げた世界です。絵画や死後の世界の展示物一つ一つが生き生きとまるで何か語りかけてくるパワーを感じます。学生達もあまりの迫力に圧倒されていたようでした。

 

そして、最後の訪問場所である複合施設「ふらっと月ヶ瀬」でランチと活動視察を行いました。複合施設というのは、こども園と高齢者デイサービス、障がい者の就労支援jが一緒になった施設です。最近は、障がい者就労支援においては、事業者との連携も広がり、またヒンメリという北欧生まれの多面体装飾品をライ麦でつくり、農福連携を推進するなど、新しいことにも挑戦しているようです。学生から、事業拡大は障がい者にとりどのようなメリットがあるのかと質問がでた際に、職員の方が、「障がい者の工賃をできるだけ増やすことにつながる」という回答がありました。就労支援B型の月工賃の全国平均は16000円程度、まだまだ低い状況ですが、少しでも工賃をあげるために、施設の方たちも日々努力されています。

ライ麦のストローって結構頑丈なんだ!

そして、いよいよ最終目的である、ラジオ出演の時間がやってまいりました!学生たちにとっては初めての経験であり、FMISに着いたあともなんだか落ち着きがありません。そして、それぞれが準備した回答内容を何度も確認しながらスタジオ入り。15分という短い時間でしたが、この2日間を通じて特に地域の人たちとの交流を通じた感じたことを語り、施設の有効活用に対して自分たちが出来そうなことなどを提案したり、とても充実した内容だったと思います。

やっと終わった!緊張したけど、貴重な体験でした

今回の活動をきっかけに、学生たちがもっと伊豆半島に興味をもち、また訪れてくれることを心より楽しみにしています。

20230825 FANTASISTAさんのお弁当

左:生姜焼き弁当 右:メキシカンタコライス弁当

午前中に「伊豆未来デザインラボ」、午後に「ビジネスセミナー」がある日のお楽しみは…
地域のお店のお弁当!8/25のお弁当は伊豆市牧之郷(読みは「まきのこう」です!)のファンタジスタ(FANTASISTA)さん。

一つ一つお店の方からの手書きのメッセージ!

お店イチオシの生姜焼き弁当とタコライス、どちらもボリュームがすごい!生姜焼きはあっさりめなお味。タコライスはメキシカンと書いてあるだけあり、ピリ辛でした。お店の方に配達までしていただき助かりました。お店の情報はインスタが最新のようです!