静岡大学東部サテライトだより

静岡大学東部サテライト「三余塾」の記録・お知らせ

20240222 ベアードビール「ブルワリーガーデン修善寺」工場見学

静岡クラフトビールの先駆者、ベアードビールさん

豊かな水資源があり、クラフトビールの聖地と言われる静岡県。特に東部地域には多くのブルワリーがあります。その中でも先駆者的なブルワリーが、2000年にブライアンベアード・さゆり夫妻が沼津に設立した「ベアードビール」。東部サテライトの近く、狩野川のほとりにベアードビールのタップルームを併設した工場「ブルワリーガーデン修善寺」があります。農園、キャンプ場も併設する大自然の中のブルワリーです。
近くにお住いの方でも知らない方もいらっしゃり、お連れすると「こんな大きい建物が!」と驚かれます。

狩野川のほとり、キャンプ場も併設するブルワリー

今回、伊豆市で頑張る企業を知ってほしいという思いから、伊豆未来デザインラボのメンバーで、この「ブルワリーガーデン修善寺」のガイドさん付き工場見学をさせていただきました。
6000リットル/日のビールを作ることができるこの工場。まず、目に入る大きな青い機械は麦芽モルト)を粉砕するモルトミルです(写真を取り忘れてしまいました…)。全体を通してなのですが、これは見学用の模型なのかな?と思うほどに、設備や室内がピカピカでした。

ビールの原料は、麦芽モルト)・ホップ・酵母・水の4つ。早速、「麦芽とは何なのか?」という参加者からの質問があり、その名の通り、麦に芽と根を生やしたものが麦芽で、麦芽の試食をしたところ、ほのかに甘みがありました。
ドイツでは、ビールの原料を大麦・ホップ・水・酵母・に限定したビール純粋令があり、麦を100%使用しますが、そうすると「重く」なるので、「軽い」ビールが好みの日本では、米やコーンスターチを使うことでのど越しの良いビールにしているとのことでした。

こちらは熟成タンク、工場内はとても清潔でピカピカです。

ホップも実物を見せていただきましたが、匂いが…パクチーのような感じでした。ホップはビールに苦味と香りを付けますが、防腐剤の役割もするそうです。ブルワリーガーデン修善寺の畑でも栽培しているそうですが、暑いと花が咲かなく、育てるのはかなり難しいとのことでした。
粉砕されたモルトは水を加えておかゆのような状態に。これをろ過したものが「麦汁」をです。これにホップを入れて煮沸。発酵タンクに入れ、酵母を加えて発酵。のちに熟成タンクに入れて熟成し、瓶詰。瓶の中で二次発酵させるために、温度管理をした部屋で保存し、美味しいベアードビールのできあがりです。

ベアードビールさんでは12種のレギュラーラインナップのほかに、3、40種オリジナルをこれまでに製造。工場の周囲には主に柑橘系の果物を育てている圃場があり、そこで採れた農産物をビールの香りづけや風味付けに使用しています。この日も農園で採れたみかんの処理をスタッフの方がされていました。発酵させることから果物の「甘さ」は特徴が残りにくいので、香りの強い柑橘系が多く使われているそうです。
他には、梅やビワ、ハバネロ!も。地域特産のワサビを使ったビールもあり、スッキリ感が特徴で、お刺身に合うとのことでした。

この日もオレンジの下処理の真っ最中、いい香りが漂っていました。

地域での持続可能なビールづくりをおこなうベアードビールさん。麦汁を搾った後のビール粕は、堆肥として自社農園で使用。循環型農業を実践し、廃水については、微生物を利用した処理により、川の水よりもきれいにした水を放出しています。
ガイドをしてくださったスタッフさんの説明がとても丁寧で、ビールについてとても詳しく、参加者からの質問にも快く答えていただきました。本当にありがとうございます。

社長の想いが詰まった版画によるデザインのラベル

参加者のほとんどがドライバーだったため、タップルームでの試飲はしませんでしたが、みなさんお土産にビールを購入していました。伊豆の自然と共存したこだわりのビールづくり。ぜひ、みなさんに知っていただきたいです。