静岡大学東部サテライトだより

静岡大学東部サテライト「三余塾」の記録・お知らせ

20231124 伊豆未来デザインラボ

静大須藤先生がデジタルを活用した高齢者の就労支援について説明

月に1回、狩野ベースで開催している企業・自治体・大学の情報交換の場「伊豆未来デザインラボ」。11月24日のラボには、伊豆市産業振興協議会・NPOサプライズ・静岡ガス株式会社・静岡鉄道株式会社・株式会社静鉄アド・パートナーズ・スルガ銀行サイクリングプロジェクト・筑波大学・土肥集学校・株式会社ドコモビジネスソリューションズ・沼津信用金庫の方が参加。各社10分くらいの持ち時間で、最近の動向や連携のお願いなどについて話していただきました。

夏季の繁忙期には参加の難しかった「アドベンチャーサポート」さんが久々の参加。アドベンチャーサポートさんは、萬城の滝近くで、滝壺などに飛び込む「キャニオニング」や、城山の岩壁をロープでくだる「ラペリング」といった伊豆の自然をダイナミックに楽しむツアーを提供している会社です。この日は、秋の世古峡を川から見上げて楽しむ「パックラフト」のツアーを紹介。修善寺駅に改札前通路に、アドベンチャーサポートさんが提供しているキャニオニングの大きなポスターが掲示されているので、ぜひご覧になってください。

修善寺駅改札向かいの通路に掲示されています。

IT関連の情報が多かった今回の伊豆未来デザインラボ。土肥集学校さんは、教育版マインクラフトを使用した小学生対象のプログラミング教室の案内、沼津信用金庫さんは、ぬましんCOMPASS修善寺&沼津のぬましんCOMPASSで開催する高校生向けDX教室の案内、ドコモさんは12/1~12/4でおこなう三島駅下土狩駅間の自動運転の実証実験を紹介。

その中で、静岡大学は先日、「デジタル社会をふまえた高齢者の居場所づくり」というテーマで公開講座をおこなった須藤先生が、「誰もがいつまでもhappywork可能なバーチャル空間」というプロジェクトの紹介を共同研究者の筑波大学教授の原⽥悦⼦先生とともにしました。ロボットなどのデジタルを活用し、高齢者を対象とした新しい遠隔就労の研究、社会実装に向けて取り組んでいる須藤先生。
こうしたデジタルの活用について、「人がかかわる」ということにおいてはこれまでに研究されておらず、「家で一人で」ではなく、コミュニティスペースを作ってそこでオンラインで行えば、新しいコミュニティが生まれるのではないか?といった提案がありました。具体的には、自律走行型パーソナルロボット「temi」の紹介し、地域のビジネスに受け入れられるか、高齢者はシステムを使いこなせるか、といったデータを取りたいので、フィールドとして協力してくださる事業者を紹介してほしいと呼びかけました。

すでに「temi」を導入している企業も。IT関連の情報が多かった今回のラボ

他の参加者の方からは、「temi」について、修善寺などの周囲の格式の高い旅館への導入は難しいのでは?セカンドキャリアのプログラムに使えるのでは?学童ボランティアなどで活用できないか?といった意見がありました。

この日は初めて静岡大学研究戦略室の牧野先生が参加。大学の持つ研究力をいかし、学内外のチームを組成し、地域課題を解決する「研究戦略室」の紹介をしました。このラボが今後一層、企業と大学との連携の場になることが期待されます。

静岡大学戦略研究室の牧野先生が初参加

NPOサプライズの飯倉さんからは、「浜松市地方創生SDGsコンテスト 高校生の部」の最終審査会で審査員を務めたという報告がありました。レベルがかなり高いということで、いくつかの発表を紹介されたのですが、中でもすごいなと思ったのが、浜松学芸高社会科学部地域調査班の「天浜線勝手に応援団」。天竜浜名湖鉄道の観光プロモーションプロジェクトで、ポスターなどを自分たちで企画・制作しているのですが、高校生ならではの感性とプロ並みの技術でできた作品に圧倒されました。
高大連携に力を入れている東部サテライト。こうした他の地域の高校生の発表を見に行くのも、勉強になるのではと思いました。