静岡大学東部サテライトだより

静岡大学東部サテライト「三余塾」の記録・お知らせ

20240115 FMIS「集まれ!静大三余塾」ゲスト ジオパーク研究員 辻修次さん2/3

天城山隧道(旧天城トンネル)。伊豆にいらしたら「伊豆の踊子」の世界観を味わってほしいです!

前回に続き、伊豆半島ジオパーク研究員の辻さんのお話です。

なぜ、東京生まれの辻さんが伊豆で働くことに?

コロナ禍の2020年、仕事でマレーシアにいた辻さん。一年半、ロックダウンで家から自由に出られず、この状況がいつまで続くのか、日本に帰れないのでは?と思っていた時に、伊豆半島ジオパークの研究員募集があったそうです。

ジオパークの文化担当とはどのような仕事?

「ジオ」という言葉は、岩石や地質だけを表すものではない。ジオは古代ギリシア語、「geo ジオ」と「gaia ガイア」は同じ。ガイアは地球ではないか?と思うかもしれないが、古代ギリシアの人は地球という存在を知らず、geo・gaiaは世界すべてを表している。そのように考えると、ジオ=人や生き物も当然含まれることになるとのこと。その場所を構成するすべてがジオ、ということのようです。
辻さんのお仕事の内容は、文学、歴史、美術といった文化関係のすべて。博物館や美術館だとショーケースに入れて作品を見せるが、ジオパークは文化が生まれた場所そのものを見せることができる。伊豆を舞台とした文学を読んで、描かれているばしょにすぐに行くことができるのが、ジオパークの魅力、とのことです。

辻さんおススメのジオスポットは?

伊豆の国市の守山。今は原っぱしかない場所だが、日本の歴史において、サムライと言われる時代の大部分はそこが原点となっている。鎌倉殿の13人でも話題となった場所ですが、北条家がいて、源頼朝が流されてきて、鎌倉幕府が興るところまではみんな知っている。その後、北条氏は続き、室町時代の後半には、将軍の足利義政が関東地方を支配するため、兄の足利政知をこの地に派遣。その後、北条早雲が現れ、そこから戦国時代が始まる。侍の時代の始まりと終わりの場所がこの守山。建物は残っておらず、原っぱしかないので想像力を注がなければならないが、文化歴史から見ると魅力たっぷりのスポットとのこと。
もう一つ、伊豆に来たらぜひ「伊豆の踊子」が辿った道を巡ってほしいとのこと。出発は修善寺→天城湯ヶ島天城山隧道を抜けて、河津「湯ヶ野温泉」のルートを歩いてほしい。河津ループ橋を車で通り過ぎるのではなく、歩いて巡ることで「天城越え」の情感を味わってほしいとのことです。

次回、1/22の放送に続きます。