先週に続き、伊豆半島ジオパーク地質系専任研究員の遠藤大介さんからお話をしていただきます。
ジオパークでのワークショップについて
ジオパークの面白さを伝えるため、子どもたちをメインとしたワークショップを伊豆地域を中心におこなう遠藤さん。年明けには山梨県北杜市の中学校でジオパークの授業をおこなったとのこと。なぜ北杜市なのか?と思われる方がいると思う。伊豆半島はユネスコの世界ジオパークだが、北杜市は「南アルプスユネスコエコパーク」を構成する市町村の一つ。ジオパークは大地の成り立ち、エコパークは森林や貴重な動植物を保護する活動ということで、ジオパークとエコパークで何か連携できないかと思い、南アルプス周辺の土地の成り立ちについて生徒さんにお話をしたとのことでした。
伊豆半島と南アルプスには密接な関わりがある。南の海からやってきた伊豆半島は、今も年間数センチの速さで北上し、その動きで本州側の山は隆起しており、その影響を受けているのが南アルプスとのことです。
ジオリアにある水理模型について
(上記授業の時に)中学校の近くに川が流れているので、川の水理模型(写真参照)を使って、河川の流れによる大地の作られ方を説明した。ジオリアに水理模型があるが、イベント用にももう1台ある。実験用に使う砂は人工のもので、比重を調整してある砂を使い、変化を際立たせるようにしている。この装置はアメリカ製とのことでした。
遠藤さんの考えるジオパークの面白さ
大学で地学に出会い、地学の面白さに出会った。地学の面白さであり難しさは、扱う対象の時間、空間が大きくて実感がしずらいこと。これが地学を難しくしている原因だが
一方で面白い理由でもある。何十万年という気が遠くなるような時間や空間のスケールを疑似的に感じることができる。生活の範囲は家と職場といった限られたものになるが、地球科学の対象は地球、宇宙まで。非常に大きな視点で物事をとらえることができるのが面白い。逆に、岩石の中のミクロな鉱物や微生物を扱うこともある。ジオリアでその面白さにぜひ触れてほしい、とのことでした。
遠藤さん、3週にわたりありがとうございました。次週からは生態系が専門の研究員、佐々木さんにお話を伺います。