静岡大学東部サテライトだより

静岡大学東部サテライト「三余塾」の記録・お知らせ

20240729 FMIS「集まれ!静大三余塾」ゲスト 美しい伊豆創造センター 植松さん

美伊豆のブランドスローガン「ジオの恵み 住む人来る人に」

7月29日のFMIS「集まれ!静大三余塾」は、美しい伊豆創造センター専務理事の植松さんからお話をいただきました。コロナ禍の前、静岡デスティネーションキャンペーン(国内最大級の大型観光キャンペーン)の年に美しい伊豆創造センターに配属された植松さん。その年(2019)は、夏に大きな台風(令和元年東日本台風)の被害があり、年が明けて2月からコロナ禍へ。インバウンド含め、3年間にわたり観光は大きなダメージを受けてきました。そのような中で、専務理事として現場を統括してきた植松さんより、あらためて「美しい伊豆創造センター」とはどのような組織であるかを説明していただきました。

「美しい伊豆創造センター(通称「美伊豆」)」とは?

平成25年、7市6町の首長会議で、伊豆半島グランドデザインを作成。これをもとに広域連携事業をおこなう組織として、平成27年に美伊豆を設立。現在、伊豆市修善寺にある拠点は、最初は伊東市にあった。2022年4月、伊豆半島ジオパーク推進協議会と統合。実が15個のブドウの房のロゴは、構成市町である7市8町(ジオパーク推進協は長泉町、清水町を含む)を表し、ツルが縦貫道を表している。
スタッフは、15市町から各1名の派遣を派遣し14名(長泉町と清水町は交互に派遣)
、県や交通事業者からの派遣、ジオパーク研究員、総勢23名で構成されている。美伊豆に派遣されることで、他の地域への人脈が広がり、通常役場では経験することがないマーケティングや営業などを経験してもらい、再び自分の町へ戻ってもらう。

美伊豆の経営理念と戦略の三本柱

美伊豆の経営理念は「ジオパークを舞台に、来訪者と生活者の満足度向上に貢献し、
美しい伊豆半島の持続的成長を創造する」。ジオパークとは、環境や地層だけでなく、その大地の上に成り立つ、土地に育まれている文化も認定されている。ジオパークの利活用が観光にとって親和性が高い。特に天城は、川端康成をはじめとする文豪の作品の舞台となっており、これも大きなジオの資源である。
美伊豆の戦略の三本柱として
1 持続可能な観光の振興
2 ジオパーク保全、教育、ならびに持続可能な発展
3 地域振興を通じた生活者の満足度向上
を掲げているが、大切なのは3番。美伊豆は観光DMO(観光地域づくり法人)だが、そこに暮らす生活者が満足しないと、オーバーツーリズムといった問題がおき、観光地として成り立たなくなる。
今後、第一次・第二次産業と連携をとって事業を進めていかなければならないとのことでした。