静岡大学東部サテライトだより

静岡大学東部サテライト「三余塾」の記録・お知らせ

スリランカ出張報告2回目 (内山 仕事編)

8月22日から30日までスリランカ出張に行ってきました。目的は5月におこなった活動と同様に、JICA案件「コミュニティにおける高齢者向けサービス運営能力強化プロジェクト」への支援のためです。

今回は2つのプロジェクトサイトにて、高齢者を対象にしたワークショップを開催し、交流の時間をもつことが出来ました。スリランカには、地域ごとに「高齢者委員会」というものが存在し、高齢者が定期的に活動をしているようです。今回はそんな人たちを対象に、日本における地域活動について紹介し、ディスカッションを行いました。

小グループに分かれ、皆で話し合い。結構盛り上がりました。

 

実は、5月の訪問時に、現地のプロジェクト関係者より、日本の高齢者が協力し合いながら事業活動を展開している様子をビデオに撮ってきてほしい!という要望がでました。その背景に、スリランカでは個人事業が家族のサポートを得られない、高齢者が協力し合わない、といった理由でうまくいっていないという事情があります。子ども達は親が高齢になっても外で活動することが、ちゃんと親の世話をしていないと周りから見られるため、あまり積極的ではないということです。

松崎町「蔵ら」のビデオを皆真剣に見ていました

そこで、私は松崎町の「蔵ら」の代表である青森さんやその他のスタッフメンバーの人たちに、蔵ら立ち上げから実際の運営、工夫、困難、やりがいなどについて学生たちにインタビューをしてもらい、15分のビデオにまとめました。それを現地語であるシンハラ語に翻訳し、当日高齢者に見てもらいました。

その他にも、伊豆市沼津市函南町など伊豆半島における事例紹介を写真を見せながらおこないました。キーワードは、「アイデア」、「協働」、「地域資源」、日本の高齢者が社会貢献のために熱い想いでチャレンジする姿は、スリランカの人たちにどのように映ったのでしょうか。

感想や意見を共有してもらいました

 

紹介のあとは、小グループになって日本の事例を見ての感想、自分たちの活動の課題、そして何か新しく取組んでみたいことなどを自由に話す時間をとりました。

このようなグループワークは初めての試みということで、最初は心配もありましたが、参加者は自分から記録をとったり、発表したり皆とても積極的。真剣に話し合う姿がとても印象的でした。

コメントペーパーをみると、「日本の高齢者はパワフル」、「高齢者が知恵や技術をもっていて素晴らしい」、「地域資源をうまく活用している」、「高齢者に対して地域社会がやさしい」、「皆協力し合っている」といったコメントがありました。また、これから自分たちで取り組みたいこととして、「技術を磨き質のいいものを提供する」、「身近な地域資源はたくさんあると思う。いいものを見つけたい」、「村にマーケットを作る」、「手工芸品の展示会をやりたい」など、前向きなアイデアが沢山出ていました。

最近できた新たな売り場。特に女性たちが大活躍しています

日本の苔玉を作ってみた!と嬉しそうに見せてくれました

自分で作ったお菓子を売っています。