静岡大学東部サテライトだより

静岡大学東部サテライト「三余塾」の記録・お知らせ

20230624 内山先生 海外研修員松崎町「蔵ら」視察

机の上の和装バービー人形に夢中の方も!

日本と同じく高齢化の進むスリランカ。そのスリランカで現在JICAが実施するプロジェクトに携わる行政官やコミュニティレベルの関係者が、日本の高齢者福祉の政策や事例を学ぶために訪日しており、その研修の一環で静岡県を訪れました。東部サテライトの内山先生が、学生のフィールドワークをおこなっている沼津市、2030松崎プロジェクトをおこなう松崎町の取り組みを現地に同行して紹介。今回は松崎町での様子をお伝えします。

まずは内山先生が松崎町の自然や文化、高齢化率などを紹介

町の先輩方が「ワーカーズコレクティブ」という形で運営する「であい村 蔵ら」さん。ここをぜひ紹介したい!と思った内山先生に頼もしい助っ人が!
静岡大学農学部園芸イノベーション研究室の松本先生の院生さん、中込さんが説明をしてくださることに!松本先生の研究室は松崎町での青パパイヤの研究を通して(松崎町河浦花園さんが栽培しする「青パパイヤ」についてはコチラをご覧ください。)、その利用方法の模索から蔵らさんと知り合い、中込さんは「高齢者の居場所」づくりに関する研究を開始。その成果については論文でも発表し、町で発表もおこないました(新聞掲載記事)。

中込さんは英語での発表を…のはずが、英語が分からない方もいて急遽日本語での発表(通訳の方がいます。)

蔵らさんは、町の主に高齢者有志が集まり、自ら「おこずかい」を出資することで、会社経営に関わる「ワーカーズコレクティブ」方式で運営しています。コロナ以前はハンドメイド品の販売やカフェで多い時には1日100人の来店があった蔵らさん。コロナ禍の休業中を乗り越え、現在再開できている理由を「物理的な居場所というだけでなく、心理的な居場所として存在していたこと、細かな声掛けなどでつながりがあったことが大きい」と説明し、蔵ら代表の青森さんも「自分たちの居場所があるという安心感がなによりも大きかった。」とおっしゃっていました。

代表の青森さんは88歳!とっても元気で笑顔が素敵です。

スリランカの方からの質問の時間で一番盛り上がったのは…青パパイヤの食べ方(笑)
スリランカでは青パパイヤはメジャーな食材のようで、ココナツやマスタードとあえてサラダにするそうです。
蔵らさんでは、青パパイヤのカレーが人気。青パパイヤの酵素の力で鶏肉がホロホロなんですが、こういう使い方はスリランカではしないようで、こうした違いも面白いですね。今後の蔵らさんの展開は?という質問にも「青パパイヤのドレッシングを大々的に売り出したい!」とおっしゃる青森さん。蔵らを舞台にスリランカ松崎町の青パパイヤフェアを開催したいね~という声も。

オオタニサーン、は世界共通!

休憩時間には、町の方のハンドメイド作品に見入るみなさん。特に和装のバービー人形にはみなさん驚き、写メを撮りまくっている方もいました。

最後にスリランカの代表の方から「普通は見過ごしてしまうことを拾い上げていくプロセスと活動を続けていくいうことの大事さ、スリランカでもいかしていけるところはいかしていきたい。松崎は日本を訪れた中で一番美しい町、そこに住むみなさんも美しい。」という嬉しいメッセージをいただきました。

蔵らさんは築150年の古民家、建物に興味を持っている方も多かったです。

青森さんをはじめ蔵らのスタッフのみなさん、松本先生、中込さん、ありがとうございました。あと、「シンハラ語」の通訳の方、同時通訳お疲れ様でした。