座標情報と色情報を持つ点の集合データである「点群データ」。災害のシミュレーションや観光、文化財の保護といった様々な分野での活用が期待されています。この点群データをスマホやドローンで撮影した画像から「フォトグラメトリ」という方法で生成し、3Dモデルをつくってみよう! という今回のイベント。
題して「オリジナル3Dモデルをドローンやスマホを使って作ってみよう!」
中高生を対象としたイベントで、下田&伊豆東部の高校生5人が参加をしてくれました。中にはすでに、3Dモデルの作成やドローンの操作をしたことがあるという強者も!
今回のイベントは地域創造学環のフィールドワークも兼ねており、静大生5人もサポートをしてくれました。
講師は、地域創造教育センターの山本隆太先生。地理学と地理教育が専門の先生です。
まずは、点群データとは?どうやってそのデータを取得しているのか?ということを簡単に説明し、今回は手軽にスマホ+フリーソフトで、点群データの取得→3Dモデルの作成をおこないました。
参加者のみなさんにモデルにする対象物として持ってきていただいたのは「お弁当」。そのお弁当の写真を360度ぐるりと撮っていき、3DF Zephyrというソフトで処理をすることで、低密度な点群データ→高密度な点群データ→点の間を埋めていくメッシュの作成→テクスチャの貼り付け、という工程を経て…
3Dモデルができあがりました!そしてこのモデルをweb上で3Dモデルを公開、閲覧のできる「Sketchfab」へ。山本先生からは、「文化財のように風化・消失してしまう可能性のあるものの記録にこうした技術を応用できる。今日のお弁当も食べたらなくなってしまう、作ってくれたご両親(もしかしたらご自身かも)にこのモデルをぜひ見せてあげてほしい。」というコメントが。
モデルに付けられたこのタイトル。嬉しいですよね…。
そして、スペシャルゲストとして「ブラタモリ」の案内人としておなじみの未来社会デザイン機構小山真人先生が参加。小山先生は「ドローンで迫る伊豆半島の衝突」という本を執筆されるほどドローンやデジタルデータの利活用について詳しいので、かなり贅沢な時間となりました。
今回は、「フォトグラメトリ」の原理について学ぶためにパソコン上で「3DF Zephyr」を使用しましたが、「Scaniverse」などの専用アプリを使うとスマホだけで簡単に3Dモデルをつくることができます。
お昼ごはんは先ほど3Dモデルにしたお弁当。そして、内山先生特製の「熊汁」が振舞われました。これは先生のお知り合いの秋田の猟師さんが仕留めた熊と、先生がご自分の畑で作ったたくさんの種類の野菜が入った豪華な熊汁。高校生も大学生もお代わりをしていました。
午後からはドローンを操作し、東部サテライトが入居している狩野ベースの建物の写真を撮って、午前のおさらいで3Dモデルを作成しました。みなさん手慣れたもので、サクサクと作業を進めていました。
イベント終了後のアンケートでは、うれしいことに参加者みなさんに満足がいただけたようでした。高校生が大学生と交流の時間を持つことができたのも大きな要因ではないかと思います。次回の開催を考えるうえで、やはり場所的に遠いといったことが学生さんが参加する際のネックになっていることもあらためて気づかされましたので、そこは外部の協力も得て、なんとかしていきたいです。
今後も大学の持つリソースをいかし、地域に学びの場、特に次世代を担う若い世代に向けた学びの場を提供していきたいと思います。