静岡大学東部サテライトだより

静岡大学東部サテライト「三余塾」の記録・お知らせ

20231129 月ヶ瀬地区防災勉強会に参加

近年の異常気象、真夏の暑さや雨の日のどしゃ降り、瓦を飛ばす勢いの突風など、異常と感じることが多くなってきたのではないでしょうか?このような気候の変化に伴い、皆さんにとり災害はより身近な課題として意識されつつあると思います。11月29日に月ヶ瀬地区で「防災減災を考える会」という勉強会が開催されました。地区の関係者20名ほどが月ヶ瀬地区センターに集まりました。

市役所担当者からの講義

まず、市役所の危機管理課より避難所についての説明があり、そのあとグループに分かれて避難所運営ゲーム(HUG)を行いました。まず、避難所である「ふらっと月ヶ瀬(デイサービス、就労支援、こども園が一緒になった複合施設)」の見取り図を前に、どのように通路を作るか、トイレの場所の確認、受付の場所をどうするかなどを皆で話し合いました。そのあと、一人が札を読み上げ、皆がその人をどのような場所に避難させるか考えました。ペットを連れてくる人、移動が不便な高齢者のいる家族、知的障害者がいる家族、妊婦さん、様々な人が避難所に押し寄せてきます。受付では、避難者を適切な場所へ避難させるためにいろいろな意見が飛び交い大忙しです。約1時間にわたるHUGの研修を終え、それぞれいろんな反省点を感じたと思います。

実は、2021年に災害対策基本法が改正され、市町村に個別避難計画作成の努力義務が課せられています。この改正を受け、各自治体では避難行動要支援者の名簿作りや避難行動計画策定作業が行われているところです。名簿の作成は令和2年の段階でほとんどの市町村で作成済みとなっていますが、真に避難支援を要する者を正確に把握できているかは明確ではありません。2018年に西日本豪雨で最大の死者を出した岡山県真備町では、犠牲者51人のうち45名、つまり約90%が高齢者や障害者であったという衝撃的な事実があります。  

やはり、事前に高齢者や障害者、一人暮らしの人、少し孤立しがちな人など、地域で把握しておくことがいかに重要であるか、今回の勉強会を通じて改めて感じました。12月から学生がこの地域の防災活動にかかわります。防災意識に何らかの変化が起こることを期待しています。(内山)